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相続した不動産や土地に悩む人へ!負動産を減らす相続土地国庫帰属制度と国庫帰属の流れ

相続サポート

親から不動産や土地を相続したものの、このまま所有し続けて良いのかと不安を抱えていませんか。
遠方にある空き家や管理が大変な山林などは、売却も難しく、固定資産税や管理費用だけが重くのしかかり、気付けば負動産になってしまうおそれがあります。
そこで近年、相続した土地を一定の条件のもとで手放せる仕組みとして、相続土地国庫帰属制度が注目されています。
本記事では、この制度の内容や対象となる不動産、手続きの流れや費用の目安を整理しながら、相続した土地をどう扱うべきかをわかりやすく解説します。
相続をきっかけに将来の負担を軽くしたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

不動産を相続した人が直面する負動産リスク

近年は人口減少や住宅の供給過多などを背景に、相続した不動産が思うように活用できず、負担だけが残る「負動産」となる事例が増えています。
特に、長く人が住んでいない空き家や、利用目的がはっきりしない山林、遠方にある居住予定のない土地などは、買い手や借り手が見つかりにくい傾向があります。
こうした不動産は、市場での需要が限られる一方で、所有しているだけで固定資産税や管理の手間が生じることが多いです。
その結果として、相続人にとっては「財産を引き継いだはずが、処分も利用も難しい土地を抱え込む」という状況に直面しやすくなっています。

負動産となりやすい不動産を所有し続けると、毎年の固定資産税のほか、建物や土地の管理費用が継続的に発生します。
空き家であれば、雨漏りや外壁の劣化を防ぐための修繕、倒壊や屋根材の飛散を防ぐための点検などが必要になり、その費用負担は決して小さくありません。
山林や広い土地の場合には、雑草や樹木の繁茂を抑えるための草刈りや伐採、境界付近の支障木の処理などに人件費や専門業者への依頼費がかかります。
さらに、遠方の土地であれば現地確認や立会いのための移動時間や交通費も重なり、金銭面だけでなく時間的・精神的な負担も増大しやすいです。

相続した不動産を手つかずのまま放置すると、建物や設備の老朽化が進み、瓦や外壁材の落下、雑草の繁茂、不法投棄などを通じて近隣住民とのトラブルにつながるおそれがあります。
また、危険性が高い空き家などについては、自治体から指導や助言、場合によっては法令に基づく勧告や命令が行われ、是正や解体の費用負担を求められる場合もあります。
さらに、所有者が高齢となり管理が難しくなっても、相続登記や処分を先送りにしていると、次の世代の相続人に同じ不動産が引き継がれ、負担が連鎖的に続くことになりかねません。
このように、不動産を相続した後の対応を後回しにすると、時間の経過とともに管理コストや法的リスクが増し、家族全体の問題へと広がる可能性が高まります。

不動産の状態 主な発生コスト 放置した場合のリスク
人が住んでいない空き家 固定資産税・修繕費 倒壊危険・行政指導
管理が行き届かない山林 草刈り・伐採費用 境界紛争・近隣苦情
遠方の利用予定ない土地 現地確認の手間費用 処分困難・負担の世代間連鎖



相続土地国庫帰属制度のしくみと対象になる不動産

相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈などにより土地の所有権または共有持分を取得した人が、その土地を国に引き取ってもらうことを申請できる制度です。
法務省の公表資料では、国庫帰属の対象は「相続等で取得した土地」に限定され、自ら購入した土地などは対象外とされています。
また、申請が認められるためには、土地の状態や管理に関する一定の要件を満たしている必要があり、すべての土地が必ず国に引き取られるわけではありません。
こうした仕組みを理解しておくことで、負担の大きい土地を相続した場合の現実的な選択肢を整理しやすくなります。

この制度で申請できるのは土地に限られ、建物そのものを国に引き取ってもらうことはできない点が重要です。
法務省は、建物が存在する土地は原則として対象外とし、事前に建物を解体して更地にすることなどを求めています。
さらに、担保権が設定されている土地や、境界が明確でなく紛争となっている土地、他人の利用権が複雑に絡んでいる土地などは、相続土地国庫帰属法上の「引き取ることができない土地」の要件に該当し、承認を受けることはできません。
そのため、金融機関の抵当権抹消や境界確認など、法的・物理的な整理を済ませておくことが前提となります。

一方で、一定の条件を満たせば、宅地や田畑、山林など、さまざまな種類の土地が相続土地国庫帰属制度の利用対象となり得ます。
法務省や国土交通省の解説によれば、地目自体に制限はなく、管理に過度な費用や危険が見込まれない土地であれば、申請の余地があるとされています。
たとえば、自宅として利用予定のない宅地や、耕作をやめて長年放置されている農地、管理が難しくなった山林などは、個人で維持し続ける負担が大きいことから、典型的な検討対象となりやすい土地です。
こうした土地の状態と制度の要件を照らし合わせることで、国庫帰属を選択できるかどうかを判断しやすくなります。

区分 国庫帰属の可否 主な確認ポイント
相続等で取得した更地 条件を満たせば対象 境界明確・担保権なし
建物付き土地 原則対象外 事前の建物解体・撤去
紛争や担保権がある土地 対象外になりやすい 権利関係の整理状況

相続土地を国庫帰属させるまでの手続きと費用の目安

相続した土地を国庫帰属させるには、まず管轄の法務局や地方法務局の窓口で事前相談を行い、申請の可否や準備書類を確認します。
そのうえで、申請書や必要書類を整えて法務局に提出し、審査手数料を納付します。
その後、法務局による書面審査や現地調査などを経て、要件を満たすかどうかが判断されます。
最終的に承認または不承認の結果が通知され、承認の場合は負担金を納付して国庫への帰属が完了します。

相続土地国庫帰属制度では、申請時に土地ごとに審査手数料を納める必要があります。
さらに、承認された場合には、土地の種類や面積、立地などに応じた負担金が必要であり、これは標準的な管理費の約10年分に相当する水準を目安として算定されています。
例えば、宅地であれば原則として面積ごとに一定額が定められており、森林や農地なども区分に応じた基準額が設けられています。
このため、事前に概算額を把握し、他の手続きとの費用対効果を比較しながら検討することが大切です。

円滑に国庫帰属を進めるためには、事前の実務的な準備が重要です。
まず、土地の相続登記を済ませ、申請者が正式な所有者として登記簿に記載されている状態にしておく必要があります。
次に、測量図や境界確認書などを整え、隣接地との境界が明確で紛争がないことを示せるよう準備しておくことが望ましいです。
加えて、現況写真や利用状況の資料を整理しておくと、法務局との相談や審査の際に説明がしやすくなります。

手続き段階 主な内容 所有者側の準備
事前相談 要件適合性の確認 登記事項証明書の準備
申請・審査 書面審査と現地確認 境界資料と現況資料
承認・帰属 負担金納付と帰属決定 費用支払いの資金確保

相続放棄との違いと、不動産を相続した人の選択肢整理

相続土地国庫帰属制度と相続放棄は、どちらも相続人の負担を軽減するための仕組みですが、その性質や効果は大きく異なります。
相続放棄は、家庭裁判所に申述して、はじめから相続人とならなかったものとみなされる制度であり、原則として相続開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。
これに対して、相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈により取得した土地に限り、要件を満たせば法務大臣の承認を受けて土地の所有権を国庫に移転できる制度で、利用時期は相続放棄の期間制限とは直接連動していません。

また、相続放棄は不動産だけでなく預貯金や有価証券などを含めた相続財産全体について一括して行う必要があり、特定の土地だけを選んで放棄することはできません。
一方で相続土地国庫帰属制度は、あくまで個々の土地ごとに申請する仕組みであり、不要な土地だけを対象として国庫に帰属させることが可能です。
ただし、境界紛争がある土地や管理に多額の費用を要する土地などは対象外とされるため、すべての土地が利用できるわけではない点に注意が必要です。

不動産を相続した人にとっては、相続放棄と国庫帰属だけでなく、売却・賃貸・自己利用・親族への承継など、複数の選択肢を比較検討することが重要です。
活用しやすい立地や状態の良い不動産であれば、売却や賃貸によって収益化を図る方法も現実的な選択肢となります。
一方で、利用予定が乏しく維持費ばかりがかかる土地については、国庫帰属制度の利用も含めて、長期的な負担をどう軽減するかを早い段階で検討することが、負動産化を防ぐうえで大切です。

選択肢 主な特徴 向いているケース
相続放棄 財産全体を包括的放棄 負債超過や資産不要
国庫帰属 要件満たす土地のみ対象 利用予定ない相続土地
売却・賃貸 資産価値を収益化 需要見込める不動産
自己利用・承継 居住や事業での活用 将来利用見込む場合

まとめ

相続した不動産や土地は、活用できなければ固定資産税や管理費がかかる「負動産」になりかねません。
相続土地国庫帰属制度は、一定の条件を満たす相続土地を手放し、将来の管理負担を断ち切るための有力な選択肢です。
一方で、売却や賃貸、相続放棄など他の方法と比べて検討すべき点も多くあります。
「自分の土地は対象になるのか」「費用はいくらかかるのか」と迷ったときは、早めに当社へご相談ください。
状況を丁寧にお伺いし、お客様にとって最適な方向性を一緒に整理いたします。

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